アドレス日本一周 east[75]
投稿日:2013年10月6日
サハリンが霞んで見える
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浜頓別を出発し、国道238号を北上。右手にオホーツク海を見ながらアドレスを走らせる。
広大な猿払原野を走り抜け、浜鬼志別を過ぎると、左手にはゆるやかに連なる宗谷丘陵が見えてくる。宗谷丘陵は海に落ち込み、国道238号はその山裾の海岸線を通っていく。宗谷岬に近づいたところでアドレスを停め、国道沿いのパーキングエリアから宗谷丘陵を眺めた。丘陵には数多くの発電用の風車が見られる。全部で57基の風車があるということだ。
天塩山地北端の宗谷丘陵のなだらかな斜面は、約1万年前までつづいた最終氷河期の寒冷な気候のもとで、氷河周辺部での凍結と融解を繰り返してできた周氷河地形。谷が樹枝状に、幾筋にもなって伸びている。それが周氷河期地形の大きな特徴になっている。
国道238号を走り、日本最北端の宗谷岬に到着。この季節、宗谷岬の周辺にはまったく人影はなく、店もすでにシャッターを下ろしていた。
まずは北緯45度31分41秒の「日本最北端の地」碑の前にアドレスを止め、嬉しい記念撮影。宗谷海峡の水平線上にはサハリンが霞んで見える。
宗谷海峡をはさんだ対岸はサハリン最南端のクリリオン岬。日本時代は西能登呂岬と呼ばれていた。宗谷海峡の幅は43キロでしかない。
宗谷岬には間宮林蔵の像が立っている。岬に近い珊内は古くから樺太への渡海地として知られ、間宮林蔵もそこから渡った。文化5年(1808年)のことだった。
日本に居ながら国境の向こうの異国を見ると、無性に海の向こうの世界へと夢を駆りたてられる。こうして日本国内から見られる異国というのは、宗谷岬(北海道)から見るロシア、対馬(長崎)から見る韓国、それと西崎(沖縄)から見る台湾しかない。
白亜紀の砂岩、頁岩からなる宗谷岬の高台に上がったところには、霧信号所や無線方位信号所もある赤白2色の灯台が立っている。北の海峡を押さえる要衝の地らしく、ここには明治35年(1902年)に建設された海軍の望楼が今でも残っている。そこから夕暮れの宗谷岬を見下ろした。